雲出洞中明

雲（くも）出（い）でて洞（とう）中（ちゅう）明（あき）らかなり

『大灯国師語録』巻下

胥云、吽。（雪消山骨露）竇、便辭退。（雲出洞中明）竇、在明州。

胥（しょ）云（いわ）く、吽（うん）。（雪（ゆき）消（き）えて山骨（さんこつ）露（あらわ）れ）竇（ちょう）、便（すなわ）ち辞（じ）退（たい）す。（雲（くも）出（い）でて洞（とう）中（ちゅう）明（あき）らかなり）竇（ちょう）、明（みん）州（しゅう）に在（あ）り。

大灯国師 … 1282～1338。宗峰妙超。臨済宗。大徳寺の開山。
洞中 … 洞穴の中。
柴山全慶編『禅林句集』には、「雪や雲の蔽いが無くなつて、全體脱白露現のところ」とある。【雪消山骨露雲出洞中明】
『禅語字彙』には、「煩惱絶へて佛性現前するの意」とある。【雪消山骨露雲出洞中明】
有馬頼底監修『茶席の禅語大辞典』には、「山の雪が解けて岩肌があらわれ、雲が晴れて洞穴の奥まで明るくなった。悩みや迷いが一掃されて、生地の仏性（ぶっしょう）が現前したようす」とある。【雪消山骨露雲出洞中明】

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