道歌:は行
は | ひ | ふ | へ | ほ |
【は】
- 這えば立て 立てば歩めの 親心 わが身に積もる 老いを忘れて
- はかなくも 消ゆるを露と 思うなよ どんなものでも 死んでゆくなり
- 箸取らば 天地御代の 御恵み 祖先や親の 恩を忘るな
- 恥を知る 人は恥せず 恥知らぬ 人は恥して 恥顔をせず
- 恥を知れ 恥を知らねば 恥をかく 恥よりほかに 恥はなきもの
- 恥を捨て 人にもの問い 習うべし これぞ上手の 基なりける
- 初鴉 聞くも心の 持ちようで 果報とも鳴く 阿呆とも鳴く
- 花咲くは 実のなるためぞ 花にのみ 心やつして 実をば忘るな
- 話し合い 耳を傾け 承認し 任せてやらねば 人は育たず(山本五十六)
- 花は根に 鳥は古巣に 帰れども 人は若きに 帰ることなし
- 春雨の わけてそれとは 降らねども 受くる草木は おのがさまざま(松翁道話)
【ひ】
- 引きとめて 止まらぬものは 月と日と 流るる水と 人の命よ
- 人多き 人の中にも 人ぞなき 人になれ人 人になせ人(弘法大師)
- 人心 変わりやすきを そのままに 染めてや見する 紫陽花の花
- 人ごとを われに向かいて 言う人は さこそわがことも 人に言うらん
- 一筋に 思い射る矢の 矢先には 堅しと見ゆる ものなかりけり
- 人使う 身になればこそ 使わるる 心となりて 人を使えよ
- 人に負けて 己に勝ちて 我を立てず 義理を立つるが 男伊達なり
- 人の上 鏡にかけて 見る人の わが身になりて なぞ曇るらん
- 人の非は 非とぞ悪みて 非とすれど わが非は非とぞ 知れど非とせず
- 人は城 人は石垣 人は堀 情けは味方 仇は敵なり(武田信玄)
- 人はただ 心ひとつを 正さずば よろずの能の ある甲斐もなし
- 人は皆 持ちつ持たれつ 世を渡る 一人離れて 保つべしやは
- 人もまた 嘆きながらに 住まうらん わが身ばかりの 浮世ならねば
- 人をのみ 渡し渡して おのが身は 岸に上がらぬ 渡し守かな
【ふ】
- 笛吹かず 太鼓たたかず 獅子舞の 後足になる 人もあるなり
- 笛吹かず 太鼓たたかず 獅子舞の 後足になる 胸の安さよ
- 不義にして 集め蓄う 銭金は 積もりて後に 身の仇となる
- 福の神 祈る間あらば 働いて 貧乏神を 追い出せかし
- 二つよき ことぞ少なき 藪陰の 涼しき宿は 蚊の多くして
- 踏まれても 根強く忍べ 道芝の やがて花咲く 春に逢うべし
- 踏まれても 根強く忍べ 道芝の やがて花咲く 春は来ぬべし
- ぶらぶらと 暮らすようでも ひょうたんは 胸のあたりに 締めくくりあり
- 降ると見ば 積もらぬ先に 払えかし 雪には折れぬ 青柳の糸
【へ】
- 兵法は 稽古鍛錬 常にして 色にいださで かくし慎め(柳生石舟斎宗厳『兵法百首』)
- へつらいて 楽しきよりも へつらわで 貧しき身こそ 心安けれ(一休諸国物語)
- へつらいて 富める人より へつらわで 貧しき身こそ 心安けれ(売卜先生糠俵)
- へつらわず 奢ることなく 争わず 欲を離れて 義理を案ぜよ(烏丸光広)
【ほ】
- ほととぎす 自由自在に 聞く里は 酒屋へ三里 豆腐屋へ二里(続々鳩翁道話)
- ほめられて われかしこしと 思うなよ 誠にほめる 人は少なし(小山駿亭『心学いろはいましめ』)
- 煩悩も もとは菩提の 証拠には 渋柿を見よ 甘干しとなる
あ行 | か行 | さ行 |
た行 | な行 | は行 |
ま行 | や行 | ら行 |
わ |