道歌:や行
や | ゆ | よ |
【や】
- 焼き餅は 遠火で焼けば 焼く人の 胸も焦がさず 味わいもよし
- やっている 姿を感謝で 見守って 信頼せねば 人は実らず(山本五十六)
- やってみせ 言って聞かせて させてみせ ほめてやらねば 人は動かじ (山本五十六)
- 宿貸さぬ 人の辛さを 情けにて 朧月夜の 花の下臥し (太田垣蓮月)
-
破れたる 衣を着ても 足ることを 知ればつづれの 錦なりけり (松翁道話)
・つづれの錦 … 花鳥・人物などの模様を織り込んだ絹織物。京都西陣の特産。つづれ錦。 - 山川の 末に流るる 橡殼も 身を捨ててこそ 浮かぶ瀬もあれ(空也上人絵詞伝)
- 山川の 流れてはやき 水よりも 止まらぬものは 命なりけり
- 闇の夜も 心の月の 出でぬれば いづこへ行くも 道は迷わず
【ゆ】
- 縁にも 落ちぶれぬれば 疎まれて 心のほかの 身をいかがせん
- 油断こそ 大敵なりと 心得て 堅固に守れ おのが心を(脇坂義堂『御代の恩沢』)
- 油断すな 比翼連理の 仲なりと 淵瀬に変わる 人の世の中(女訓集)
- 油断すな 身は鴛鴬の 仲なりと 淵瀬に変わる 人の心ぞ
【よ】
- 夜遊びや 朝寝昼寝に 遊山好き 引っ込み思案 油断不根気
- よい仲も 近頃疎く なりにけり 隣に蔵を 建てしよりのち(鳩翁道話)
- 養生は 飢ゆることなく 飽かずして 物思わざる 上はあらじな
- 養生は 薬によらず 世の常の 身持ち心の うちにこそあれ
- よかれとて 教うることに 腹立てん 人にはことに かけじとぞ思う
- よき悪しき こと嫌いなく 常に見よ 人の上こそ わが鏡なれ
- よきことは 大いに広め 悪しきをば 見ざる聞かざる 言わざるぞよき
- よきことは 真似になりとも するがよし いつしか馴れて 誠にぞなる
- よきことは 見ても聞きても 悪しきこと 見ざる聞かざる 言わざるぞよき
- よきことも 悪しきことをも 鏡ぞと 人を見分けて わが身を縛れ
- よきことを いつもあるかと 思うなよ 夏暑ければ 冬の寒さよ
- よき湿り すぐに困った お天気と 手前勝手の 人の世の中
- よき人に まじりて悪しき ことはなし 麻の中なる 蓬見るにも
- よき人を 見ればわが身も 磨かれて 鏡に向かう 心地こそすれ
- 欲深き 人の心と 降る雪は 積もるにつけて 道を離るる
- 欲深き 人の心と 降る雪は 積もるにつけて 道を忘るる
- よし悪しに 移るならいを 思うにも 危うきものは 心なりけり
- 吉野川 その源を たずぬれば まこもの雫 花の下露
- 吉野川 たずねてみれば 水もなし 茨の下の 松の葉の露
- 淀みなき 水に氷の 張る間なし 見るにつけても 稼げ世の中
- 世にあれば 人も集まり 来たれども 落ちぶれぬれば 訪う人もなし
- 世の中に 思いあれども 子を恋うる 思いにまさる 思いなきかな
- 世の中に 人の恩をば 恩として わがする恩は 恩と思うな
-
世の中に せまじきものは われは顔 そらごと盗み 勝負いさかい
・われは顔 … 得意顔。わがもの顔。 - 世の中に 寝るほど楽は なきものを 浮世のばかは 起きて働く
- 世の中に 寝るほど楽は なきものを 知らぬうつけが 起きて働く
- 世の中に 花も紅葉も 金銀も 与えてあるぞ 精だして取れ
- 世の中に 蒔かずに生えし ためしなし 蒔きてぞついに 運や開けん
- 世の中の 人のためとて 身を削る 鰹節こそ 味の王なれ
- 世の中の 嫁が姑に はやなれば 人も仏に なるは程なし
- 世の中は かくこそありけれ 花盛り 山風吹いて 春雨ぞ降る
- 世の中は 命の仮家の ただしばし 一人残らぬ 夕暮れの空
- 世の中は かごに乗る人 担ぐ人 そのまたわらじを 作る人
- 世の中は 心ひとつの 置きどころ 楽も苦となり 苦も楽となる
- 世の中は 左様でござる ごもっとも 何とござるか しかと存ぜぬ
- 世の中は 白黒赤く 移りゆく わが身ひとつは 元の身にして
- 世の中は 棚の達磨に さも似たり 起きては転び 転びては起き
- 世の中は 月に群雲 花に風 思うに別れ 思わぬに逢う
- 世の中は 月に群雲 花に風 思うに別れ 思わぬに添う(薄雪物語)
- 世の中は 何か常なる 飛鳥川 昨日の淵ぞ 今日は瀬になる(古今和歌集)
- 世の中は 人の上のみ ゆかしけれ うらやむわれも うらやまれつつ(橋村 淳風)
- 世の中は 豆で四角で やわらかで 豆腐のような 人になれ人(大綱宗彦『大綱遺詠』豆腐画賛)
- 世の中は 持ちつ持たれつ 立つ身なり 人という字を 見るにつけても
- 世の中を 思うも苦し 思わじと 思うも身には 思いなりけり(本院侍従集・玉葉集)
- 世の中を 恥じぬ人こそ 恥となれ 恥じる人には 恥ぞ少なき
- 世の中を やすやす渡れ 古人の 聖のふみを 道のしおりに
- 世の中を 渡り比べて 今ぞ知る 阿波の鳴戸に 浪風もなし
- 世の人の 心は千々に わかれても 誠ひとつは 変わらざりけり
- 世の人は われを何とも 言わば言え わが為すことは われのみぞ知る(坂本龍馬)
- 世渡りは 狂言綺語と 同じこと 上々も役 下々も役
- 世を渡る 道はと問わば とにかくに 夫婦睦みて 親子親しめ
あ行 | か行 | さ行 |
た行 | な行 | は行 |
ま行 | や行 | ら行 |
わ |