道歌:た行
た | ち | つ | て | と |
【た】
- 大事をば 一人計らう ことなかれ 心得たらん 人に問うべし
- ただ忍べ 人の人たる みちのくの 忍ぶのほかに 道あらめやは
- ただ忍べ 人たる道の 忍ぶ草 忍ぶのほかに 道はあらめや
- 立ち向かう 人の心は 鏡なり おのが心を 写しても見ん
- 立てそむる 志だに たゆまねば 竜の顎の 玉も取るべし(大国 隆正)
- ためになる ことを言う者 忌み嫌い 毒をあてがう 人が好きなり
- 田や山に 金はいくらも 捨ててある 鍬で掘り出せ 鎌で刈り取れ
- たらちねの 親の残せし 形見なり いや慎まん わが身ひとつを
- 足ることを 知る心こそ 宝船 世をやすやすと 渡るなりけり
- 誰が死んだ 彼が死んだと 言ううちに われが死んだと 人に言われる
- 誰知ると 思う心の はかなさよ 天知る地知る 人の知るなり
- 誰もみな 体は母の 形見なり 傷をつけなよ おのが体に
- 誰もみな 心は父の 形見なり 恥ずかしめなよ おのが心を
- 誰もみな 持つものながら 誠より 重きものこそ 世になしと知れ
- 誰も見よ 満つればやがて 欠く月の 十六夜の空や 人の世の中
- 短気ゆえ 身を滅ぼすと 慎んで かんしゃく気随 気まま起こすな
【ち】
- 知音には ただはやるとも 物貸すな 請えば必ず 仲の悪さよ
- 智慧のある 人ほどものに 自慢せず 能ある鷹は 爪を隠すぞ
- 長命を 祈らぬ人は なかりけり まこと祈らば 朝起きをせよ
- 散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ(細川ガラシャ)
【つ】
- ついに行く 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思わざりしを(在原業平『古今和歌集』)
- 仕えても 甲斐なきものは 法の道 明日をも知らで 在ます父母(石田梅岩)
- 月々に 月見る月の 多けれど 月見る月は この月の月
- 月雪も 花も紅葉も 銭金も わが身にあるぞ 働いて取れ
- 慎みを 人の心の 根とすれば 言葉の花も 誠にぞ咲く
- 露と落ち 露と消えにし わが身かな 浪速のことも 夢のまた夢(豊臣秀吉)
- 強き木は 吹き倒さるる こともあり 弱き柳に 雪折れはなし
- つらしとて 恨み返すな われ人に 報い報いて 果てしなき世ぞ(島津日新公いろは歌)
【て】
- 手を打てば 鯉は餌と聞き 鳥は逃げ 下女は茶と聞く 猿沢の池
- てんはこころ すなわち 父の形見なり 身はつちにして 母の形見ぞ
【と】
- 年越しは 冥土の旅の 問屋場か 月日の飛脚 足を留めず(蜷川新右衛門「一休蜷川狂歌問答」)
- 年を経て 浮き世の橋を 見返れば さても危うく 渡りつるかな
- 虎と見て 石にたつ矢の あるものを などか思いの 通らざるべき
あ行 | か行 | さ行 |
た行 | な行 | は行 |
ま行 | や行 | ら行 |
わ |