遠鷗浮水靜
遠鷗水に浮かんで静かなり
杜甫「春帰」(唐詩選)
遠鷗浮水靜
遠鷗水に浮かんで静かに
輕燕受風斜
軽燕風を受けて斜めなり
- 遠鷗 … 遠くのかもめ。
- 軽燕 … 身の軽いツバメ。
- 柴山全慶編『禅林句集』には、「鷗は靜かに水中に戯れ、燕は風を切つて斜に飛ぶ。現成の妙趣」とある。【遠鷗浮水靜輕燕受風斜】
- 有馬頼底監修『茶席の禅語大辞典』には、「……遠くのカモメはしずかに水にただよい、ひらひらと舞うツバメは春の風を受けながらも力強く飛び交う。この景色がそのまま悟りの妙境。静と動、みずとそら、遠くと近く。見たまま皆真実にして、春のたけなわ。私心のはいる隙間はないし、かわいいというのも野暮なこと」とある。【遠鷗浮水静 軽燕受風斜】
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