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花枝自短長

花枝自短長

花枝かしおのずからたんちょう

えん語録』
春色無高下、花枝自短長
春色しゅんしょくこうく、花枝かしおのずからたんちょう
  • 春色 … 春の景色。
  • 入矢義高監修/古賀英彦編著『禅語辞典』には、「春の景色に上下の差等はないが、花の咲く枝はそれぞれに長いのもあり短いのもある」とある。【春色無高下、花枝自短長】
  • 柴山全慶編『禅林句集』には、「平等中の差別。長者は長法身、短者は短法身」とある。【春色無高下花枝自短長】
  • 『禅語字彙』には、「同じやうに育てゝも、物に出來不出來あるをいふ」とある。【春色無高下花枝自短長】
  • 芳賀幸四郎『新版一行物』には、「……『春色 無高下』とは、(中略)どこもかしこもみな一様の春景色、という意味である。しかしそうはいっても、桃の花は紅く梨の花は白く、同じ桃の木でも長い枝もあれば短い枝もあり、太い細いのちがいもある。それを『花枝自短長』と表現したのである。(中略)裏の意味は二様に解釈できる。一つは(中略)平等即差別・差別即平等こそ自然と人生との実相であり、このように両面からみることが大乗仏教の見方であることを、春の景色に託して説いたものとみる解釈である。(中略)もう一つの解釈は『春光が万物の上にあまねく公平に降りそそぐように、仏の慈悲は一視同仁で、万物に対し公平でいささかの厚薄もない。しかし、花枝に自ら短長があるように、万物はそれぞれの個性を発揮して、力いっぱいに生きて、全体として大きな調和をかもしだしている』とするものである」とある。【春色無高下 花枝自短長】
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