荷葉團團團似鏡

荷（か）葉（よう）団団（だんだん）として団（まど）かなること鏡（かがみ）に似（に）たり

『大（だい）慧（え）録（ろく）』、『五（ご）灯（とう）会（え）元（げん）』他

〔五灯会元、巻五、夾山（かっさん）善（ぜん）会（ね）禅師〕
問、如何是相似句。師曰、荷葉團團團似鏡、菱角尖尖尖似錐。

問（と）う、「如何（いか）なるか是（こ）れ相（そう）似（じ）の句（く）」。師（し）曰（いわ）く、「荷（か）葉（よう）団団（だんだん）として団（まど）かなること鏡（かがみ）に似（に）たり、菱（りょう）角（かく）尖尖（せんせん）として尖（するど）きこと錐（きり）に似（に）たり」。

荷葉 … はすの葉。
菱角 … ひしの実の角。
似 … 『禅林句集』では「鏡（かがみ）似（よ）りも…」「錐（きり）似（よ）りも…」と訓読している。
『新版禅学大辞典』には、「団団は円いさま。円いものは徹底して円いことを表した語」とある。【荷葉團團】
入矢義高監修／古賀英彦編著『禅語辞典』には、「はすの葉はまんまるで鏡のようにまるい、ひしの実の角はとげとげしく錐のようにするどい。それぞれがちがった在りようながら、それぞれに本来の在りように安らいでいる」とある。【荷葉團團團似鏡、菱角尖尖尖似錐】
柴山全慶編『禅林句集』には、「蓮の葉の圓き、菱の角の尖れるさま。現成そのまま悟りの妙景」とある。【荷葉団団団似鏡、菱角尖尖尖似錐】
『禅語字彙』には、「如何なるか是れ相ひ似たるとの問ひに、夾山の答へたる語にて、暗に相ひ似たる物なきをいふ」とある。【荷葉團團團似鏡菱角尖尖尖似錐】

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