猿抱子歸靑嶂後
猿は子を抱いて青嶂の後に帰る
『景徳伝灯録』、『圜悟語録』他
〔景徳伝灯録、巻十五〕
問、如何是夾山境。師曰、猿抱子歸靑嶂後、鳥啣花落碧巖前。
問、如何是夾山境。師曰、猿抱子歸靑嶂後、鳥啣花落碧巖前。
問う、「如何なるか是れ夾山の境」。師曰く、「猿は子を抱いて青嶂の後に帰り、鳥は花を啣んで碧巌の前に落つ」。
- 『景徳伝灯録』では「猿抱子歸青嶂裏、鳥銜華落碧巖前」に作る。
- 入矢義高監修/古賀英彦編著『禅語辞典』には、「山中のおのずからな動静の諧和」とある。【猿抱子帰青嶂後、鳥啣花落碧巌前】
- 柴山全慶編『禅林句集』には、「本分現成の妙景。『如何か是れ夾山の境』なる問に對し、夾山の答えし語。子は木の實のこと」とある。【猿抱子歸青嶂後鳥啣花落碧岩前】
- 『禅語字彙』には、「如何なるか是れ夾山の境なる問に對し、夾山の答へたる話にして、智解すべからざるものなり。碧巖集の名は此語より得たりとの説もあり」とある。【猿抱子歸青嶂後鳥啣花落碧巖前】
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