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一口吸盡西江水

一口吸盡西江水

いっきゅうじん西江せいこうみず

『馬祖語録』、『ほう居士語録』他
〔龐居士語録〕
居士後之江西、參馬祖大師、問曰、不與萬法為侶者、是什麼人。祖曰、待汝一口吸盡西江水、即向汝道。
居士こじのち江西こうせい馬祖ばそだいさんじ、うていわく、万法ばんぽうともたらざるもの什麼なにびとぞ。いわく、なんじいっ西江せいこうみずきゅうじんするをちて、すなわなんじむかってわん。
  • 『禅林句集』では「いっきゅうじん西江せいこうみず洛陽らくようたんあらたにずいく(一口吸盡西江水、洛陽牡丹新吐蘂)」(出典:五祖法演禅師語録)に作る。
  • 入矢義高監修/古賀英彦編著『禅語辞典』には、「一口で西江の水を飲みつくしたおかげで、洛陽の牡丹が新たに花ひらいた。宋代に至って牡丹は洛陽のものが天下第一といわれた。上の句は馬祖の語」とある。【一口吸尽西江水、洛陽牡丹新吐蘂】
  • 柴山全慶編『禅林句集』には、「悟りの上の自由なはたらき。又妄念を掃蕩し盡し、脱落の妙境に入るを牡丹に喩う」とある。【一口吸盡西江水洛陽牡丹新吐蘂】
  • 『禅語字彙』には、「從來の惡智惡覺を蕩盡したる、眞箇脱落の境界を、牡丹に喩へていふ」とある。【一口吸盡西江水洛陽牡丹新吐蘂】
  • 沖本克己/竹貫元勝著『これで大丈夫禅語百科』には、「ほう居士こじ馬祖ばそ道一どういつに『万法とともたらざる者、是れなに人』と聞いたのに対し、『西江の水を一口で飲み尽したらいってやろう』とこたえた故事による。千利休の悟りの機縁ともいわれる。茶を飲む時、『乾坤けんこんどんきゃくす』るのにたとえるのに響きあうところがある」とある。【一口吸盡西江水】
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