雲消山嶽露

雲（くも）消（き）えて山岳（さんがく）露（あらわ）る

『五灯会元続略』

師曰、雲消山嶽露、日出海天清。

師（し）曰（いわ）く、雲（くも）消（き）えて山岳（さんがく）露（あらわ）れ、日（ひ）出（い）でて海天（かいてん）清（きよ）し。

「雪（ゆき）消（き）えて山岳（さんがく）露（あらわ）る（雪消山岳露）」という禅語があるが、これは「雲消山嶽露」から派生したものと思われる。ちなみに「雪消山頂露」という語は『五灯会元続略』等に見えるが、「雪消山岳露」は見当たらない。
類語に「雲（くも）収（おさ）まりて山岳（さんがく）青（あお）し（雲収山岳青）」がある。
柴山全慶編『禅林句集』には、「清々しい青山が空中に美しい。見事な眺めだ。すさまじい現成底の妙」とある。【雲消山嶽露】
『禅語字彙』には、「煩惱絶へて佛性現前するの意」とある。【雪消山嶽露日出海天清】
有馬頼底監修『茶席の禅語大辞典』には、「平穏無事の輝く風景。雪が溶けて山肌があらわになり、太陽が昇って海上の空が清らかに輝く。煩悩や妄想が悉く消え去り、仏性が現前したことをたとえる」とある。【雪消山岳露日出海天清】

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