山色豈非清淨身
山色豈に清浄身に非ざらんや
蘇東坡「贈東林総長老」
溪聲便是廣長舌
渓声便ち是れ広長舌
山色豈非清淨身
山色豈に清浄身に非ざらんや
夜來八萬四千偈
夜来八万四千の偈
他日如何擧似人
他日如何が人に挙似せん
- 広長舌 … 諸仏の説法。
- 清浄身 … 清らかな身。仏身のこと。
- 『新版 禅学大辞典』には、「蘇東坡が悟道したときの偈。谿水の音がそのまま佛の説法であるということ。すなわち、佛は三世十方にわたって常在し、説法しているから、森羅万象いずれも佛の顕現でないものはない。凡・聖、佛・衆生の差別のなくなった立場に立てば、移りかわる山の色も佛の妙相であり、絶えまなく流れる水の音も佛の説法となること」とある。【谿聲廣長舌】
- 入矢義高監修/古賀英彦編著『禅語辞典』には、「谷川のせせらぎは法身仏の説法であり、山の色は清浄法身にほかならない。もと蘇東坡の句」とある。【渓声便是広長舌、山色豈非清浄身】
- 柴山全慶編『禅林句集』には、「渓川の響きがこれ如來の説法、山の色がこれ佛の妙色身」とある。【溪聲便是廣長舌山色豈非清淨身】
- 『禅語字彙』には、「山は是れ佛身、溪聲はこれ大説法にあらずや。『夜來八萬四千偈、他日如何擧似人』と續いて、蘇東坡の投機の偈とて有名なり」とある。【溪聲便是廣長舌山色豈非清淨身】
- 有馬頼底監修『茶席の禅語大辞典』には、「渓谷に流れる水の音色は如来の説法、山の景色は如来の清浄法身であるの意。見るもの聞くものすべてが真実そのものであること。山川草木や牆壁瓦礫など識情のないものも成仏し絶えず説法している。……」とある。【渓声広長舌 山色清浄身】
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