春風吹又生
春風吹いて又た生ず
白居易「古原草を賦し得て別を送る」
離離原上草
離離たり原上の草
一歳一枯榮
一歳一たび枯栄す
野火燒不盡
野火焼けども尽きず
春風吹又生
春風吹いて又た生ず
- 『唐詩三百首』巻五(五言律詩)所収。ウィキソース「賦得古原草送別」参照。
- 入矢義高監修/古賀英彦編著『禅語辞典』には、「……野火が焼いても根絶やしにはできず、春風が吹くとまた萌え出でる、そのような雑草の根強さを煩悩妄想のきりのなさに喩える」とある。【野火焼不尽、春風吹又生】
- 柴山全慶編『禅林句集』には、「煩惱の草が浮世の風に萌え出した。又生滅不斷の意」とある。【野火燒不盡春風吹又生】
- 『禅語字彙』には、「禪語としては、無明の荒草、浮世の風にさそはれて又萠へ出したの意。又生滅不斷の意。……」とある。【野火燒不盡春風吹又生】
- 有馬頼底監修『茶席の禅語大辞典』には、「……冬枯れの草を野火がすっかり焼き尽くしたかと思いきや、春になって暖かな風が吹く頃になるとまた再び芽生えてきた。煩悩妄想の荒草も、注意しないとまた芽を出して蔓延る。ご用心、ご用心。何ごとも不断の精進が必要である」とある。【野火焼不尽 春風吹又生】
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