前三三後三三
前三三後三三
『碧巌録』第三十五則
無著問文殊、此間如何住持。殊云、凡聖同居、龍蛇混雜。著云、多少衆。殊云、前三三後三三。
無著、文殊に問う、此間は如何が住持する。殊云く、凡聖同居、龍蛇混雑す。著云く、多少の衆ぞ。殊云く、前三三後三三。
- 『新版 禅学大辞典』には、「文殊が無著に示した前三三後三三の三三は無数を言っているのであって、前も無数、後も無数の意である。文殊の方から言えば、佛法の修行者はある特定の三百、五百といった人間のことではない。すべて佛法の修行者でないものはないというのである。したがって、この文殊の道場では凡夫も聖人も何等差別はなく、凡聖同居、竜蛇混雑であると示したもの」とある。【文殊前後三三】
- 入矢義高監修/古賀英彦編著『禅語辞典』には、「……『数量では計れぬ根本智の消息』などと説かれるが、原義とは別である」とある。【前三三、後三三】
- 柴山全慶編『禅林句集』には、「前も後も何處も彼處も一杯。無量無数」とある。【前三三後三三】
- 『禅語字彙』には、「前後は彼此と同義。三三は一定の數量にあらず。前も三三、後も三三の意にて、彼此相同じきを示す語。又前後三三の義にて、前後に要なく、無限無數量を示す語。然し俗説の前後三三は、連續する義なり」とある。【前三三後三三】
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