大用現前不存軌則
大用現前、軌則を存せず
『碧巌録』第三則
垂示云、一機一境、一言一句。且圖有箇入處。好肉上剜瘡、成窠成窟。大用現前不存軌則。且圖知有向上事。
垂示に云く、一機一境、一言一句、且く箇の入処有らんことを図る。好肉上に瘡を剜り、窠を成し窟を成す。大用現前、軌則を存せず。且く向上の事有ることを知らしめんと図る。
- 大用 … 大いなる作用・働き。殺活自在の働き。
- 軌則 … 一定のルール。
- 『新版 禅学大辞典』には、「殺活自在・無為無作の働きは軌則を超越した縦横自在の活動である。師家の学人接得に一定の軌轍を立てず、与奪時に随い、強弱変に応じた縦横自在の作略をもいう」とある。【大用現前是大軌則】
- 入矢義高監修/古賀英彦編著『禅語辞典』には、「偉大な人物が発揮するはたらきは、一定のルールに枠付けされない」とある。【大用現前、不存軌則】
- 柴山全慶編『禅林句集』には、「大悟せる者のはたらきは自在無礙、規則を超えて規則に外れぬ」とある。【大用現前不存軌則】
- 『禅語字彙』には、「大機の大用底、即ち是道なれば、別に軌則を存せずの意」とある。【大用現前不存軌則】
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