白馬入蘆花
白馬蘆花に入る
『碧巌録』第十三則
擧、僧問巴陵。如何是提婆宗。(白馬入蘆花。道什麼。點。)巴陵云、銀碗裏盛雪。(塞斷爾咽喉、七花八裂。)
挙す、僧、巴陵に問う。如何なるか是れ提婆宗。(白馬蘆花に入る。什麼と道うぞ。点。)巴陵云く、銀椀裏に雪を盛る。(爾が咽喉を塞断し、七花八裂。)
- 白馬 … 白毛の馬。
- 蘆花 … あしの花。白い花を咲かせる。
- 『新版 禅学大辞典』には、「白馬も蘆花も共に白色。同中に異あること。一説に彼此の分別思量を超絶した境地」とある。【白馬入蘆花】
- 入矢義高監修/古賀英彦編著『禅語辞典』には、「差別の相が消えて痕跡を留めないことの喩え」とある。【白馬入蘆花】
- 柴山全慶編『禅林句集』には、「同色見分け難し。不一不二」とある。【白馬入蘆花】
- 『禅語字彙』には、「共に白き故に、見分け難しの意にいふ」とある。【白馬入蘆花】
- 芳賀幸四郎『新版一行物』には、「……秋の茶会によく掛けられる一軸である。(中略)白馬は白馬であり、芦花は芦花であり、それぞれ独立した別個の存在であるが、白馬が芦花の波の中に入れば、同じ白色とて両者が一つに溶けあって見分けがつかず、不二一如となる。(中略)風雅な句として鑑賞するにとどめず、せめて茶室における主客の不即不離・不二一如の関係を説いたものととっておくべきであろう。主と客とはそれぞれに独立した別個の二つの人格でありながら、しかも主は客の、客は主の心を心として互いに和し敬しあい、主客不二・賓主一如の浄土を四畳半内に建立してこそ、『白馬 芦花に入る』や『銀椀裏に雪を盛る』の軸に恥じない茶境というものである」とある。【白馬入芦花】
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