明月蘆花君自看
明月芦花君自ら看よ
『碧巌録』、『五灯会元』
〔碧巌録、第六十二則〕
看看、古岸何人把釣竿。雲冉冉、水漫漫。明月蘆花君自看。
看看、古岸何人把釣竿。雲冉冉、水漫漫。明月蘆花君自看。
看よ看よ、古岸、何人か釣竿を把る。雲は冉冉、水は漫漫。明月芦花君自ら看よ。
- 冉冉 … もくもく湧き起こる。
- 漫漫 … 広々とたたえる。
- 蘆花 … あしの花。白い花を咲かせる。
- 入矢義高監修/古賀英彦編著『禅語辞典』には、「明月と蘆花とがたがいに照りはえ、個別相を消し去った情景」とある。【明月蘆花】
- 柴山全慶編『禅林句集』には、「此の景色は自己の内心に見よ。自悟自得の消息」とある。【明月蘆花君自看】
- 『禅語字彙』には、「明月と蘆花、其白や相ひ似たり、其物や同じからず。以て同中異、異中同を喩説し、正中偏、偏中正の旨を明すことあり。今此句に、君自看とあり、這箇の看取底は參じて知るべし」とある。【明月蘆花君自看】
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