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吟風一様松

吟風一樣松

かぜぎん一様いちようまつ

『寒山詩』
泣露千般草
つゆく 千般せんぱんくさ
吟風一樣松
かぜぎんず 一様いちようまつ
  • 千般 … あらゆる。
  • 一様 … 多くのものがみな同じであるようす。
  • 泣露千般草 吟風一様松 … 入谷仙介/松村昻『禅の語録 13 寒山詩』〔三〕は、「露に泣きぬれた千々ちぢの草々、風にうそぶく一様に生え広がった松」と訳している。
  • 入矢義高監修/古賀英彦編著『禅語辞典』には、「くさぐさの草はしっとりとおりた露の下に泣き、どの松の梢もみな風に鳴って同じ歌をうたっている」とある。【泣露千般草、吟風一様松】
  • 柴山全慶編『禅林句集』には、「皆これ現成底の妙相、悟りの妙旨」とある。【泣露千般草吟風一樣松】
  • 『禅語字彙』には、「草木又無情ならずの觀。又眞如現相の説にも此句をいふことあり」とある。【泣露千般草吟風一樣松】
  • 芳賀幸四郎『新版一行物』には、「……もしこの二句から禅の宗旨を汲みとるとしたら、『山路には色とりどりの草花が生いしげり、秋露にしとどに濡れて千姿万態の相を呈している。しかもその側には大小・高低さまざまな松が、風に吹かれてサヤサヤと一様のメロディを奏でている。差別と平等とがこのように相即している、これが自然と人生の真相である』と、汲みとるべきであろう。(中略)平等の面だけをみて差別の面を忘れるのも、差別の面だけを強調して平等の面を無視するのも、どちらもいわゆる担板漢たんばんかんの見方で真理に反する。平等とともに差別をみ、差別の裏に平等をみると、こうありたいものである」とある。【泣露千般草 吟風一様松】
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