歸家穩坐
帰家穏坐
『大慧録』、『碧巌録』、『嘉泰普灯録』他
〔嘉泰普灯録、巻第十一、太平慧懃禅師〕
云、忽被學人截斷兩頭、歸家穩坐。又作麼生。曰、儞家在甚麼處。
云、忽被學人截斷兩頭、歸家穩坐。又作麼生。曰、儞家在甚麼處。
云く、「忽ちに学人に両頭を截断せられて、帰家穏坐す。又た作麼生」。曰く、「儞が家、甚麼の処にか在る」。
- 帰家穏坐 … 帰家は「きけ」とも。「家に帰りて穏やかに坐す」と訓読できる。家は本来の自己をさす。
- 『新版 禅学大辞典』には、「流浪者が、わが家に帰り安穏に落ち着くこと。転じて煩悩欲望に駆られた迷妄の生活を離れて、一念発心し佛道修行に励み、自らの心証に徹底すること」とある。【歸家穩坐】
- 入矢義高監修/古賀英彦編著『禅語辞典』には、「ほんらい居るべき場所にもどって、ゆるぎなく坐る」とある。【帰家穏座】
- 柴山全慶編『禅林句集』には、「長い旅を終えて、わが家に歸り安らかに坐する如く、久しい修行の末に悟りの境地を得て至極安穩であること」とある。【歸家穩坐】
- 『禅語字彙』には、「修行圓熟して、外境に迷はされざること、恰も家に歸りて坐する如く、安穩にして心を勞せざるに喩ふ」とある。【歸家穩座】
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