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開門落葉多

開門落葉多

もんひらけば落葉らくようおお

無可「秋に従兄の賈島に寄す」
聽雨寒更盡
あめいて 寒更かんこう
開門落葉多
もんひらけば 落葉らくようおお
  • 無可 … 唐代の詩僧。唐代の詩人とうのいとこ。
  • 秋寄従兄賈島 … 『全唐詩』巻813収録。ウィキソース「全唐詩/卷813」参照。「落葉」を出典では「落葉」に作る。なお、「寒更」を「寒更」に作るものもある。
  • 寄 … 詩を人に託して送り届けること。直接手渡すのが「贈」。
  • 寒更 … 寒い夜更け。
  • 柴山全慶編『禅林句集』には、「夜もすがら雨と聽いたのは落葉の音であつた。山居の幽趣。盡き切る處に一切の妙用が許される」とある。【聽雨寒更盡開門落葉多】
  • 『禅語字彙』には、「夜もすがら雨と聽いたのは、落葉の戸を打つ音であつたの意。山居の幽情をいふ」とある。【聽雨寒更盡開門落葉多】
  • 芳賀幸四郎『新版一行物』には、「昨夜は屋根を打つ雨の音を聴き、寒さにふるえながら煎餅せんべいとんにくるまって、わびしい思いでいつか寝入ってしまったが、今朝、門を開いてみると、あたり一面の落葉である。さては、すがら雨の音だと思って聴いていたのは、雨の音ではなくて、屋根を打つ落葉の音であったワイ。冬ももう近いなあ。(中略)落葉する晩秋の夜の寂寥さと、草庵にひとり閑居する隠者のたたずまいとを見事に表現した句である。(中略)禅者がこの句を愛誦し、これをよく揮毫するのは、単にこの句が詩としてすぐれているからだけでなく、『諸行無常』の宗旨を深くこめているからなのである」とある。【聴雨寒更尽 開門落葉多】
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