山雲海月情
山雲海月の情
『碧巌録』第五十三則
野鴨子、知何許。馬祖見來相共語。話盡山雲海月情。依前不會、還飛去。
野鴨子、何許なるを知らん。馬祖、見来って相共に語る。話し尽くす山雲海月の情。依前として会せず、還た飛び去る。
- 話尽 … 「話し尽くす」とも読む。「語り尽くす」とするテキストもある。
- 『新版 禅学大辞典』には、「名利を離れた洒脱な境地」とある。【山雲海月情】
- 柴山全慶編『禅林句集』には、「それからそれへと肚の底まで打ち明け合つてありつたけを話りつくすの意」とある。【一重山盡又一重話盡山雲海月情】
- 『禅語字彙』には、「互に、肚の底まで打ち破つて話し合ふ意」とある。【話盡山雲海月情】
- 芳賀幸四郎『新版一行物』には、「お互いに肚知りあった真の知己同士が一座に会し、山上の白雲や海上の明月にも似た清浄で風雅な思いのたけを、肚の底までスックリ話しあうこと」とある。【話尽山雲海月情】
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