曹溪鏡裏絶塵埃
曹渓鏡裏塵埃を絶す
『碧巌録』第五則
牛頭沒、馬頭回。曹溪鏡裏絶塵埃。
牛頭没し、馬頭回る。曹渓鏡裏塵埃を絶す。
- 牛頭没、馬頭回 … 入矢義高監修/古賀英彦編著『禅語辞典』には、「牛頭馬頭は牛頭人身・馬頭人身の、いずれも地獄の番人。牛頭が消えたとたんに馬頭が現れる。神出鬼没の絶妙な働きぶりに喩える。地獄絵を画いた走馬灯のイメージから出た表現であろう」とある。
- 『新版 禅学大辞典』には、「六祖慧能の『菩提本無樹、明鏡亦非臺、本來無一物、何處惹塵埃』の偈による。六祖の面目、すなわち大円鏡は、本来清浄離塵で、一切の塵埃を絶したものの意」とある。【曹溪鏡裏絶塵埃】
- 入矢義高監修/古賀英彦編著『禅語辞典』には、「曹渓慧能が五祖弘忍に呈した偈『菩提本無樹、明鏡亦非台、本来無一物、何処惹塵埃』を背景とする。本智には一点の曇りもないことをいう」とある。【曹渓鏡裏絶塵埃】
- 柴山全慶編『禅林句集』には、「人々具足の佛性は清淨なりということ。曹溪は六祖慧能をいう。六祖の『菩提本樹無し、明鏡亦臺に非ず、本來無一物、何れの處にか塵埃を惹かん。』の偈による」とある。【曹溪鏡裏絶塵埃】
- 『禅語字彙』には、「曹溪は、六祖大師の居所。此句は六祖の、『菩提本非樹、明鏡亦非臺、本來無一物、何處惹塵埃』の有名なる一偈より脱化したるものにて、本來塵一つだも無い清淨なものじやの意」とある。【曹溪鏡裏絶塵埃】
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