山呼萬歳聲
山は呼ぶ万歳の声
『漢書』巻六、『五灯会元』他
〔五灯会元、巻十九、龍牙智才禅師〕
延祥拄杖生歡喜、擲地山呼萬歳聲。
延祥拄杖生歡喜、擲地山呼萬歳聲。
祥を延ぶれば拄杖歓喜を生じ、地に擲てば山は呼ぶ万歳の声。
- この語はもともと『漢書』武帝紀、「翌日親登嵩高、御史乘屬、在廟旁吏卒咸聞呼萬歳者三」から来ている。
- 柴山全慶編『禅林句集』には、「聖徳ある御代を祝する聲。漢の武帝が華山から中嶽嵩山に到つて親しく山を祭つた時、臣民一同萬歳を叫んだという故事から出た語」とある。【山呼萬歳聲】
- 『禅語字彙』には、「祝語なり。後漢武帝の時、歡呼の聲山に響きて萬歳と聞へたとの故事あり」とある。【山呼萬歳聲】
- 芳賀幸四郎『新版一行物』には、「……この句の一軸は新年の茶会・還暦や喜寿祝賀の茶会の床などに、よく掛けられる。(中略)山そのものが『万歳 万歳 万々歳』すなわち永劫にわたって躍動する宇宙の大生命の顕現した相であり、久遠実成の仏身そのものである。山は人びとの唱える歓呼によって万歳とこだまするのではなく、自らが万々歳な宇宙の大生命の相であり、自らが『万歳 万歳 万々歳』と叫んでいるのである。禅者がこの句を好んで揮毫するのは、このようにして山に久遠実成の仏身をみ、『山色は是れ清浄法身』と観ずるが故なのである」とある。【山呼万歳声】
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