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無事是貴人

無事是貴人

無事ぶじにん

『臨済録』
師示衆云、道流、切要求取真正見解、向天下横行、免被這一般精魅惑亂。無事是貴人、但莫造作。祗是平常。
しゅしめしていわく、どうせつしんしょうけんしゅして、てんむかって横行おうこうして、一般いっぱんせい惑乱わくらんせらるるをまぬがれんことをようす。無事ぶじにんぞうすることなかれ。平常びょうじょうなれ。
  • 無事 … 「平穏無事」の意味ではない。
  • 『新版 禅学大辞典』には、「臨済義玄の言葉。無事は無為のこと。無為とは、『平常心是道』というありかたで、一切の造作を排して無心に道に合すること」とある。【無事是貴人】
  • 入矢義高監修/古賀英彦編著『禅語辞典』には、「なすべきことのもはやない者こそ貴人である」とある。【無事是貴人】
  • 柴山全慶編『禅林句集』には、「迷悟共に超え、心にかかる何物も無き境地の人、これを眞の貴人と云う」とある。【無事是貴人】
  • 『禅語字彙』には、「無事とは、一切の求心無きをいふ。馳求の念なければ佛性現前する、そこで貴人じや」とある。【無事是貴人】
  • 芳賀幸四郎『新版一行物』には、「……『無事』とは(中略)ああのこうのと思慮分別にわたらず、身がまえたり小細工したりせず、当り前のことを当り前にやることである。(中略)無造作にねんほうに行ずること、それがここにいう『無事』の意味である。(中略)また『貴人』とは身分や位階勲等の高い人、いわゆる高貴の人の意味ではない。(中略)無作むさ無心の高貴な境涯に体達した人物、真の道人、これを貴人というのである」とある。【無事是貴人】
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