閑坐聽松風
閑坐して松風を聴く
出典不詳
- 閑坐 … 一切の妄念を離れて坐禅すること。
- 松風 … 松の木に吹く風(の音)。静寂の世界を表す。また、また、茶の湯では茶釜の煮えたぎる音をさす。
- 芳賀幸四郎『新版一行物』には、「『閑坐』とは心閑かに坐ることであるが、その坐る場所は、深山の樹下石上や清浄な禅堂や閑静な茶室でなければならぬことはない。(中略)達人にとっては十字街頭の高層ビルの一室でもよいし、わが家の茶の間であってもよい。また、この松風はあえて松籟だけとは限らない。杉風でもよいし欅の梢を揺るがせる風の音でもよいし、茶釜の煮えの音でもむろんかまわない。問題は『何で聴くか』である。(中略)『心の耳』で聴き、肚でよく味わってしみじみと聴くことである。(中略)松風の音を通して『天地の鳴佩』、すなわち宇宙の大生命の息吹きを聴き、それと合一する境に遊ぶことである」とある。【閑坐聴松風】
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