松潭月色涼
松潭月色涼し
孟貫「山中の高逸の人に寄す」(三体詩)
煙霞多放曠
煙霞 多くは放曠
吟嘯是尋常
吟嘯 是れ尋常
猿共摘山果
猿と共に 山果を摘み
僧鄰住石房
僧と隣りて 石房に住す
躡雲雙屐冷
雲を躡みて 双屐冷やかに
採藥一身香
薬を採って 一身香し
我憶相逢夜
我は憶う 相逢う夜
松潭月色涼
松潭 月色涼しきを
- 孟貫 … 生没年不詳。五代の詩人。字は一之。建安(今の福建省南平市建甌市)の人。ウィキペディア【孟貫】(中文)参照。
- 松潭 … 松の茂る谷川のよどんでいる処。
- 月色 … 月の色。また、月の光。月かげ。
- 高逸 … 世俗にとらわれず、自由な境地にいる人。
- 放曠 … 物事に拘束されずに気ままなこと。
- 吟嘯 … 声を長く引いて詩歌をうたうこと。
- 石房 … 石づくりの部屋。石室。
- 双屐 … ふたつの木沓。
- 薬 … 薬草。
- 有馬頼底監修『茶席の禅語大辞典』には、「松の木の下に深い淵がある。その水面に月が清らかな影を映している。水の青さと、冷たくふり注ぐ月の光が一緒に描かれて、晩秋の感慨が一段と際だっている」とある。【松潭月色涼】
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関連リンク
- 三体詩(ウィキペディア)
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