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下載清風付與誰

下載清風付與誰

さい清風せいふうたれにか付与ふよせん

『碧巌録』第四十五則
如今抛擲西湖裏、下載清風付與誰
如今にょこん抛擲ほうてき西せいうちさい清風せいふうたれにか付与ふよせん。
  • 抛擲 … うち捨てる。
  • 西湖 … 浙江省杭州市の西にある湖。ウィキペディア【西湖 (杭州市)】参照。
  • 下載 … 積荷を運び降ろすこと。「あさい」と読む。
  • 『新版 禅学大辞典』には、「下載は積荷を目的地に運び降ろすことで、その安心感にたとえ、清風は心地清浄の境」とある。【下載清風】
  • 入矢義高監修/古賀英彦編著『禅語辞典』には、「いまはすべてを西湖の中に投げすててしまった、あとに残った涼風を舟からおろして誰にやったらよかろう」とある。【如今抛擲西湖裏、下載清風付與誰】
  • 柴山全慶編『禅林句集』には、「面倒な荷物は湖の中へ抛げ捨てた、荷物を下して風を入れる快さは云い様がない」とある。【如今抛擲西湖裏下載清風付與誰】
  • 『禅語字彙』には、「面倒なお荷物は、今皆西湖の中へ投げ込で身輕になつた、おまけに追手の西風じや、此順風に乘じて家に歸る心地は、誰にも分けてやりやうが無い」とある。【如今抛擲西湖裏下載清風付與誰】
  • 芳賀幸四郎『新版一行物』には、「『下載の清風』とは、ドッサリ荷物を積込んで船脚も重く長江を上り、港に入った船が、その積荷を全部さばいて陸揚げし、今や船脚も軽く追風に帆をはらませながら長江を下っていく様子である。登山体験でいうならば、肩にめりこむリュックサックを背負ってようやく山頂に達し、リュックをドッカとおろして、雪渓から吹きあげる風に吹かれながら下界を眺める様子とみてもよい。いずれにしても、なんともすがすがしく慶快な境涯である。そしてそれが、悟り臭い仏見・法見などの一切をほうしきった大無心の境涯、しゃ々落々、光風せい月の境涯をさしていることは、今さらいうまでもないであろう」とある。【下載清風】
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